03/11
Tue
2008
ドラマを見たときに面白い設定だなと思って、彩雲国でやったらどうなるんだろう?と思いました。
サッカーが無い世界なので無理やり蹴鞠ということにしたのですが、蹴鞠に審判は無いよなーと悶々と考え、あげくスルーしました。電子掲示板もないから電子時計は巨大砂時計で代用。ま、フィクションだしいっかってこちらに都合の良いように解釈。
ヒロインは遣り残したことがある人ということで紅家元家人が主人のところへ謝りに来る話にしてみました。てか、コレお相手ジャンル間違えた。完全に邵可夢だよね。静蘭で分類するべきじゃなかったなー……。
思ったことは即実行のヒロインは勢い良過ぎて自殺まで即実行しちゃいました。もうちょっと考えるべきだったか?
秀麗に会わせたりもしたかったけど、まとまらないと思ったのでカット。
静蘭とは友達以上にもなりませんでしたねー。本当にこれ静蘭夢で良かったのか?もう少し絡めたいと思ったけど時間の無いヒロインなのでそれも適いませんでした。
■おまけ■
府庫に行った静蘭に言い忘れていた資料を取りに劉輝は彼の後を追った。最初から自分で取りに行けば良かったと思いつつ、側近らと先を急ぐ。府庫の前の回廊を過ぎ、大量の蔵書を抱えた室内に入っても中には邵可一人しかいなかった。
「……静蘭は来ておらぬのか?」
ボーっとしていた邵可に劉輝は恐る恐る声をかける。いつもにこやかな笑みを浮かべた府庫の主は今日は心ここにあらずと言った感じだ。
「邵可様、何かあったのですか?」
絳攸が心配になって声をかけるが、生返事だった。
どうしたものかと窓の外を見ると見知った後姿が見えた。裏庭で誰かと話している。
「おい、あれを見てみろ」
絳攸が指差す先には先に府庫に向ったはずの静蘭の姿。そしてもう一人、見知らぬ顔の女性。
「さっきの女性だね。邵可様に御用だと聞いていたが……」
「楸瑛、まさかお前城の中に入れる手引きをしたのか?」
「あんまりにも必死な様が可愛くてついね」
「ふざけるな! 宮中警護が羽林軍の仕事じゃ無かったのか!? 常春頭もいい加減に……」
絳攸の叱咤は劉輝の悲鳴によってかき消された。
「あ、兄上に抱きつい……」
女性はあろうことか静蘭の腕の中に納まっていた。
おずおずと腕を回す静蘭の姿を見て楸瑛は口笛を鳴らす。
今まで秀麗一筋だった静蘭が他の女性と関係があったのか。これは良いからかい材料になる。静蘭の弱みを握り、左羽林軍将軍は上機嫌になった。
劉輝は府庫を飛び出していた。
あの女性は誰なのだと兄に問い詰めなければ。静蘭はずっと秀麗を守ってくれると思っていたのに、他の女性がいるなんて聞いていない。
劉輝が静蘭の姿を捉えたとき、彼は一人で立っていた。
女性の姿は遥か彼方へ走りながら消えていく。
兄に声を掛けようと思ったが、劉輝は何故かそうできなかった。
後から追いついた絳攸と楸瑛もただならぬ雰囲気に言葉を発する事は躊躇われる。
少し経ってから劉輝は聞いた。
「泣いておられるのですか?」
静蘭は自分でも分からなかった。だが、虚空感が胸を占め、いつの間にか涙が流れていたのだ。理由は分からない。久しぶりに元同僚に再会しただけなのに、何故?
袖で涙を拭い、静蘭はにっこりといつもの笑みをたたえて振り返った。
「なんでもありませんよ」
そう言って三人の側を抜けていく。
ひどく寂しげな声がやけに劉輝の耳に残った。