01/29
Thu
2009
まさかの悪夢の国試再現ですよ!!
閻魔大王 鄭悠舜
傲岸不遜なナニサマ野郎 紅黎深
不審な好青年 黄鳳珠
ヤクザモン 管飛翔
人呼んで“悪夢の国試組”。
原作初期のころ鳳珠の顔が一番の元凶のように書かれていましたが(実際殿試で落第者が続出して極端に及第人数が減った理由は彼の顔にありますけど)、黎深も飛翔も人サマに多大なるご迷惑をおかけして“悪夢”の名に恥じぬ振る舞いを存分にしていたことはよーく分かりました。
地の文が悠舜って今までにあまり無かったですよね。
近頃悠舜さんの本性が出てきたためか、茶州編の頃と比べて穏やかな気持ちで読めなくなってます。彼、かなり冷酷な面ありますからね。紅一族が水や氷の描写で統一されてますから、元紅系の悠舜さんも同じように“冷たい”イメージの描写で見てしまうように目にフィルターがかかってます。
今回も梨の花を雪に例えてますからね。水のイメージと繋がってますよね。
物語の流れどおりに話を続けましょう。
序
悠舜さんの過去が少しだけ垣間見えました。
黎深に見捨てられ先王に一族皆殺しにされてから、旺季様に拾われたようです。
紫州の旺季所有の別邸にいると思われます。晏樹が頻繁に出入りして朝廷の情報を流していたようですから、貴陽の中かそんなに離れていない郊外あたりでしょうか。
このころ長い髪も結わずに垂らしっぱなし、頬杖付いて超適当に日々グダグダと隠遁生活を送っていたようです(笑)
表紙の絵を見たとき黎深の隣、誰!?って思いましたが、悠舜さんだったんですね。すぐに分かりましたがちょっとびっくりでした。彼、そんなにキッチリ真面目なタイプじゃないみたいですね。
梨の花は4月が見ごろだそうです。つまりこの後清苑公子は流罪になるということでしょうか。清苑が流罪になったのは春から夏にかけてですから。年齢の描写から考えてもそうだと思います。旺季様はコトを起こす前に悠舜に国試受験を打診したんでしょうね。
旺季様が悠舜に『国試でやって欲しいこと』とはどんな事でしょう。これは後編に持ち越しかな。
一
出会いは嵐の如く。
やっぱり普通の出会い方してませんよ、この人たち。
天つ才を駆使して賭博に全戦全勝した黎深が逆恨みされて始まった大乱闘にあれよあれよと巻き込まれてしまった悠舜と、助けようとした鳳珠、余計にかき回した飛翔。これが4人のはじまり。
最初っから彼らはものすごい強烈なキャラクターを全面に出してますよね。
素顔を見て大笑いしようとした飛翔を『笑いたいならこの場を立ち去ってから、知らないところでやれ』と諌めた悠舜、それに素直にしたがって『男は顔じゃない』という飛翔に鳳珠はシンパシーを感じたんだと思います。
飛翔も『試験官脅してない』と言ったところあっさり納得されてしまったので「おっ」と思ったのでしょう。
悠舜は久しぶりに会った黎深に対して面白いくらい何も感じないらしいです。悠舜さんって感情の起伏が無いですよね。全体的に。怒ったり笑ったり(心からじゃないけど)するけど、基本クール。冷静というより冷徹。どこかに感情を置き忘れたみたい。
思ったんですけど、州試の答案ってそう簡単に手に入るものなのでしょうか。悠舜は全部読んでたみたいですけど。成績優秀者の答案は模範解答として開示されるとか? そしたら飛翔のは出てこないはずだし。きっと旺季様が手を回してるんでしょうね。
ところで冒頭、悠舜を楼閣の2階から見ていた“彼”とは一体誰? そしてその“依頼者”も。これも後編で明らかになるのでしょう。
二
黎深って独占欲強いですよね。前々から分かってましたけど。
悠舜を独り占めできたら大人しいし、柚子茶にも執着するし。
その独占欲と焼餅のせいで雪ダルマをあちこちに造るなんてカワイイんですけど!!
飛翔は黎深の子供心を正確に理解しているみたいで驚きました。彼洞察力ありますよね。この中では年長でしょうし、大人の余裕が感じられます。
三
予備宿舎へ。
いきなり登場年齢不詳長身オネェ男 劉子美。
本当にいきなりすぎて展開に付いていけませんでした。悠舜たち同様にポカンて。
彼、何者でしょうね。
今まで全然登場せず、ここに来ていきなりですよ。悪夢の国試組は徐々に関係人物が出てきてますがここまでポンと出てこられちゃあ付いていけないところも。まあ刑部尚書の時もそうだったんで今後も出てくるでしょうね。
あ、ちなみに姜文仲さん、来俊臣さんは地方小役人だったそうです。
それにしても宿舎に入るだけでも仁義なき戦いを引き起こす鳳珠と飛翔のすごさに唖然。もう牢獄でも地獄でもいいから好きにやってくれ。
四
三人の若様の逆襲が恐ろしすぎです。
地獄の獄卒より極悪非道な鬼畜、人間の皮をかぶった牛頭馬頭または觔斗雲に乗った極道サル軍団(by子美)て……。どんだけですか!
悪行三昧したあげく牢屋でおいしいものかっこんでいる黎深に流石の悠舜もブチギレた。
『血まみれ麻婆さん』『謎の豚汁』『キノコの浅漬け』怪石料理を食べさせられていた悠舜の恨みはすさまじいですね。ネーミングセンスも。
子美の料理センスも。
そして黎深がツンデレ。自分から悠舜に会いに行くのが躊躇われたから我慢して待ってても待ち人来ず。来たと思ったら柚子茶ねだるし。怒られるし。これぞ正しくツンデレ。
でも、黎深も鳳珠も飛翔も悠舜思いの良いオトモダチだと思います。
五
炊事洗濯掃除させときゃ黎深は黙る。黙らせる事ができるのは悠舜だからですよね。あんだけ懐かれちゃ。監督係が8人やめるって。いじわるしすぎです。
南天。難を転じるで験担ぎになる実。この話に何度も出てきてますよね。重要な意味が込められているようです。私の実家の庭にも小さい南天の木がありまして、私も昔から勝手にそれを黎深の『百合の木』のように『自分の木』と勝手に決めて大事にしてたのでこの話で登場してちょっと驚きました。
六
幽霊事件。
98番目の幽霊の正体は多分アノ人でしょうけど。それは後編で。
ここら辺は『地獄の沙汰も君次第』にリンクしてますよね。百合姫が黎深におにぎり持ってきたシーン。
そのため黎深は機嫌悪いわ鳳珠は動揺するわで微笑ましかったです。
みんなでチクチク継ぎ接ぎだらけのフンドシ縫ってるところも。
でも悠舜だけ“下帯”(笑)。上品に見えてしまうのは気のせい?
鳳珠、友達できてよかったね。誰かと一緒に何かしたことなかったって今までの20年前後の人生どんだけ寂しかったんだ!! 本当に良かったね。友情も恋もできて。
彩雲国には破廉恥罪があるらしい。…………。
さて悠舜と黎深の関係。
鳳珠や百合は黎深のテリトリーに入ってきてるけど、悠舜は黎深の世界に足を踏み入れていない。それが黎深にとって初めての感覚だったんじゃないでしょうか。だから悠舜に固執したがる。黎深はだからわざわざ悠舜の世界に出向いている。黎深が兄以外に他人のために何かをするのは悠舜が初めてだったのではないでしょうか。だから悠舜は特別なんですね。
いろいろまとまりのない文章になってしまいましたが、言いたいことはまだ全部言い切れてません。また追記するかもです。
とりあえず子美のことをすこしまとめておこう。
劉子美
紫州州試第二位及第。
長身。受験生には大変珍しくお洒落。化粧が濃い。でも多分男でいた方がいい。女装しているわけではないので、十歩下がれば男装の麗人に見えるかも。
年齢不詳(子美の謎)。鳳珠曰く「…………さ、さんじゅうさん……?」
赤い丸薬と、散薬の薬包を携帯。『どこが悪いのかわかんないんだけど、どこか悪いのは確か』
初恋の人は悠舜に似ている(女性か男性かは不明)。
好きな人には無理強いせず遠くから見守るタイプ。
飽きっぽい性格。料理も裁縫も途中で放り出したりする。落ち着きも無い。
料理が壊滅的に下手。味覚オンチ(?)
枕が変わると寝られない(宿舎に帰るいい訳かも)。
またキャラの濃い……。
一の冒頭で出てきた“彼”なのかと思いましたけど、前編の最後で首吊り(?)っぽいことしてたので違うかな。まだ首吊ってたのが子美って決まったわけじゃないけど。
風の狼関連かもとも思いました。初恋の相手=邵可?とも。潜入調査中だったりしてとか妄想ふくらませつつ。
謎が多い前編でしたが半年後の後編を期待しましょう。
それにしても間隔が広い。待てるかな。
2月にはコミック4巻、3月にはイラスト集、春には短編集発売みたいですね。短編集書き下ろし載るのかな。期待してます。上半期は彩雲国オンパレードで嬉しい限りです。