地震からもう2週間ですか。
海外にいるので日本ほど詳しい状況は分からないのですが、毎日繰り返されるニュースの悲惨な光景にしばらく食欲が湧きませんでした。東京周辺の友人の取り乱しようもすごく、海外からの電話は一切規制されたので地震が起きた日の夜は私の部屋で日本人が集まって家族への連絡に追われていました。
まず最初に地震で亡くなられた方にお悔やみ申し上げます。
私は西日本の地震も台風も比較的少ない地区の出身なので被災された方の心をすべて理解できるかと言われれば、そうではありません。ただ少しでも寄り添えたらいいなと思い、募金活動に参加しました。世界の皆さんが日本を心配してくれている思いを少しでも届けたいです。
私も少ない金額ながら協力させていただきましたが、日本にいる皆さんが節電に献血にボランティアに協力されているのを見て、私の何も出来ない状況を歯がゆく思っています。ここで勉強することが将来日本の国力となることを信じて、今私に出来ることを頑張ろうと思います。
海外に居ると世界がどういう目で日本を見ているのか良く分かります。そして日本が世界第2位と言われた所以もとても良く理解できます。今回の地震で世界の目が捉えた日本人はまさにその象徴です。
私たちは地震に慣れています。だからちょっとやそっとじゃ驚かないし、冷静な判断も出来る。給水の列に並ぶし、電気が点かないコンビニでもみんなお金を払って買い物するし、道に座り込んでも塞がないように端に寄るし、家族の安否が分からなくても仕事を遂行する。教育水準の高さはこういうところに現れます。
教育というより、道徳ですね。
日本人は消極的で他人に無関心、冷たいと思われがちですが、本当のところは違いますよね。ただシャイな
だけなんです。
お年寄りが電車に乗ってきたら声を掛けて席を譲るのはちょっと恥ずかしいって思っちゃうんです。だから下りるわけでもないのに何も言わずにそっと席を立って入り口の近くに言って様子を見たり、隣の車両に行くんです。ただシャイだからこんな心遣いしか出来ない不器用な人たちなんです。日本人は冷たい訳じゃ無く、ただ人の迷惑にならないように細心の注意を払って他と接しようとしないだけなんです。それが日本人の親切なんです。
なぜ目の前に埋まっている人がいるのに助けに行かないのか。私の国なら必ず行くと留学先の国の人に言われました。
それは違う!私たちだって助けたいんですよ!
普通の震災だったら火災に気を付けながら救助活動を手伝います。しかし今回は津波による被害で、元の街の姿が全く分からないほど壊れてしまいました。そして私たちは自分が行くことによって足手まとい、ましてや二次災害になることも十分分かっています。だから行きたくても行けない。これは震災に対する意識が無い国の人には分かってもらえないことだと思います。私たちがどれだけ悔しい思いをして見ているのか、きっと当事者にしか分からないでしょう。
生意気なことを言ってしまいました。
事態は刻一刻と変化していて、私は外国の友人から原発の状況などを聞かれても、好転した、また悪化したと逐一揺れる状況を説明するのがとても難しいです。これは語学力が無いからというのもあるのですが。ともかく、日本は世界から凄く心配されています。
日本は地震が多く、毎年台風も来て天災の多い国です。そして66年前には戦争にも負けました。それでも立ち直った日本ならまた復興すると信じられています。日本が今まで培った信頼は絶大なものです。ここで崩れない国だと私も信じたいです。
最後に、地震に慣れているからと言って悲しみには慣れていません。悲しい悲しい冬を越えて、春がやってきます。
日本の桜はもう咲きましたか?
私は今無性に日本に帰ってあの美しい桜が見たいです。日本の春は世界一美しいと思います。
願わくば深い悲しみの冬を国民一丸となって越えて、なるべく早くみんなで一緒に春を迎えたいです。
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